春に魁けて咲く

春に魁けて姿を顯す草本二種を御覽に供します。

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まづ蕗の薹。昨日、アパート敷地の一隅に顔(?)を出してゐるのを見かけて撮影しました。これは蕗の花で葉が出る前に顯れます。因みに菊科蕗屬の多年草、雌雄異株です。此の邊では蕗味噌などに仕立てゝ食するやうですが、私は味噌汁の具として用ゐます。獨得の苦みが癖になります。

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次いで座禪草。新暦の睦月末から彌生中頃にかけて日本各地の低山の濕地に自生(多くは群生)します。名稱は達磨大師の座禪姿に見立てたものとか、由つて一名〈達磨草〉とも呼ぶらしい。里芋科座禪草屬の多年草水芭蕉・海芋(かいう、園藝名はカラー)・天南星(浦島草・蝮草・雪餅草など)の仲間ですが、容子の迫力は隨一ですね。濃褐色の苞に抱かれてゐるやうな肉穗花序が花です。此の種の苞は佛像光背の火焔を連想させたものとみえて〈佛焔苞〉と呼ばれてゐます。長野縣にも群生地が在りますが、遠方ゆゑ撮りに行赴くのは難しいので、寫眞はインターネットで見つけた大田原観光協会(栃木縣)のサイトに掲載されてゐるものを借用致しました。