2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

右京と采女――井原西鶴☆須永朝彦譯

萬(よろず)の花は美色あるがゆゑに自ら枝を失ふ。こゝに、何某(なにがし)の侍從(粉本の『藻屑物語』は櫻川侍從)の御許(おもと)に仕へる伊丹右京と申す者があり、花車(きやしや、風雅)の道に萬事秀(ひい)で、容姿(かたち)は見るに眩きほどの美…