2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

忘れえぬ廿世紀後半の櫻歌

妙子の櫻さくらばな咲きしときこゆ猫よりも怠りふかき目をわれは擧ぐ薄黄(はくわう)のさくら湖岸に咲きたればまぶたに塗りぬ油一しづくかかるさくらありしとおもへ遠草野「平野夕日」といふ櫻ばな 智惠子の櫻さくらばな陽に泡立つを目守(まも)りゐるこの…

晶子櫻詠帖***與謝野晶子櫻花詠私抄(朝彦撰)

〇清水へ祇園をよぎる櫻月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき 七谷や七日(なぬか)がほどを風去(い)なず櫻ながるる山より海へ 櫻人よし野の路の山駕籠の少女(をとめ)の君にさかづきまゐる さくら散る春のゆふべや廢院のあるじ上臈赤裳(あかも)ひいて來(こ…

花王五拾首☆王朝篇  須永朝彦 撰

★世の中に絶えて櫻のなかりせば春の心はのどけからまし 在原業平★櫻花匂ふともなく春來ればなどか歎きの茂りのみする 伊勢★うつつには更にも言はじ櫻花夢にも散ると見えば憂からむ 凡河内躬恆★春霞たなびく山の櫻花見れどもあかぬ君にもあるかな 紀友則★櫻花…

左膝関節痛地獄〜再たまた菅原多喜夫さんから有り難き御差入れ

「秋の終り頃から心身ともに不調、今月に入つてからは宿痾の左足の膝關節痛が再發、 竟(つひ)には左足が踏ん張れなくなりました。階段の上り下りには嘗て無い苦痛を 覺えます。更には自轉車に乘るのも厭はしく、他出して用を辨ずるには餘程の覺悟が 要るや…

蕪村の桃の句

雛祭る都はづれや桃の月 雛見世の灯(ひ)を引くころや春の雨 喰うて寢て牛にならばや桃の花 商人(あきんど)を吼ゆる犬あり桃の花 櫻より桃にしたしき小家(こいへ)かな 家中衆(かちゆうしゆ)にさむしろ振るふもゝの宿

春の魁/須藤絢乃写真展

【春の魁】 金褸梅(マンサク) 福壽草 蕗の薹 【須藤絢乃展】