長月朔日

 新暦の長月朔日(二百十日太陰暦葉月八日)です。先週から曇天續きで外氣温が下がり、早朝は20度を切る涼しさ。朝顔はまだまだ咲き續けさうですが、芒は穗を出し始め、吾亦紅(ワレモコウ)の花も日毎に臙脂色を深めつゝあり、低空には高原から下りて來た秋茜(トンボ)が飛び交つてゐます。

 今朝の朝顔

 芒が穗を靡かせる日も近い……

 玄關生花は吾亦紅

 一昨年の葉月三十日、當地に引越してまゐりました。晝間は好天でしたが、上信越道の坂城ICを下りる頃には稻妻が閃き雷鳴が轟く豪雨となり、水飛沫で道路が白くなり浮き上がつてゐるやうに見えたのを覺えてゐます。信州の地に二年を過ごした譯ですが、まだ馴染みきつたとは申せず、異邦人の氣分も殘つてゐるやうに思ひます。
 左足の捻挫が中々完治せず、ほかにも不如意なる事が多いのですが、国書刊行会筑摩書房平凡社に單行本の原稿完成をお待ちいたゞいてゐる身、月があらたまつたのを機に稿を繼いでゆきたいものであります。