剥茸など

今朝の生花:ガマズミの實+ラベンダー他

 昨夜から風が強まり、今朝は夫(それ)に雨が混じり嵐めいてきました。此の天氣では外出は無理、昨日買物を濟ませておいてよかつた。
 JA千曲の地産果菜コーナーに、東京では見かけなかつた剥茸(ムキタケ)といふ茸が並んでゐたので需めました。東京のごく普通のスーパーマーケットに並ぶ茸は椎茸・榎茸・ぶなしめじなめこ・舞茸くらゐ、此れらは通年入手可能ゆゑ〈旬〉即ち季節感を感じることもありません。秋に姿を見せる天然物は松茸くらゐでせうね。需めた剥茸には「原木栽培」との表示があり、此の邊りではかなり前から栽培されてゐるやうです。薄い樺色の綺麗な茸ですが、以前圖鑑で見た月夜茸(ツキヨタケ、雅な名稱なので形を確認したのです)といふ毒茸に外觀がよく似てゐます。
 當地でよく採れる花猪口(ハナヰグチ、通称ジゴボウ)と同じやうに胡麻油で輕く炒め、白菜と煮びたしにして、別に蒸しておいた鶏肉と茹でたブロッコリー(これは彩り)を中鉢に敷き、其の上に盛りつけてみました。ついでに特賣購入の卵が澤山あつたので擂り下ろした大和芋と合はせて焼きましたが、かうするともつちりとした舌觸りに仕上がりますよ。因みに薯蕷(ジョヨ)とは山芋・自然薯類の總稱であります。34年に亙つて住んだ築地の明石町には和菓子處〈塩瀬〉の總本家があり(隅田川畔ですが、防潮璧に遮られて川面は見えない)、此處の薯蕷饅頭は寔(まこと)に美味、懐具合のいゝ時には需めて食しました。

剥茸

野性の剥茸

よく煮た毒茸:月夜茸

剥茸の炒め煮

薯蕷玉子焼