雪折れの幣辛夷、山茱萸……春を告げる花々

 晝間でも外氣温が15度を上廻る日が續き、早春の花々が目に留まるやうになりました。此の邊の花木で最も早く咲き始めるのは此處に載せた山茱萸サンシュユ)でせう。茱萸(グミ)に似た實を結びますが食べられません。
 臘梅(ラフバイ)・滿作(マンサク)・三椏(ミツマタ)・辛夷(コブシ)なども咲いてゐる筈です。梅は未だ蕾が綻びかけたぐらゐでせうか。月が更まれば、櫻や桃や梨や林檎など薔薇科の果樹も次々に開花することでせう。
 二月の大雪の時、駐車場の一隅に樹つ幣辛夷シデコブシ、姫辛夷とも。たぶん園藝種。山野に自生するものは絶滅の危機に瀕してゐるといふ)が積雪の重みで枝が一本折れました。花芽が澤山ついてゐたので、もしかしたら咲かせられるかも知れないと思ひ、折れた箇所を少し切り詰め、劍山に刺し活けておいたところ、健氣にも一月半を經て咲いてくれました。同じ仲間の木蓮の花は長持ちしますが、幣辛夷は一日花のやうで、殘念ながら二日目には散つてしまひますね。

茱萸

雪折れの幣辛夷(玄關生花)

椿&蕗の薹(書棚生花)