シャンソン♪戀模樣
1「あたしの男:Mon homme」ミスタンゲット(Mistinguett)
ミスタンゲットは20世紀初頭から半世紀に亙つて巴里のレビューに君臨した大スター。
此の録音は1938年60歳です。嗄れ聲が從順と見せて男を嘗めきつた歌にぴつたりですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BFvYjlgqh4Q
2「別れた二人:Tu n'es plus rein」ダミア(Damia)
1935年發賣のタンゴ、私は高校時代に淡谷のり子のカヴァー盤(昭和36年發賣の25糎LP)で
聽き、即ち魅了されましたが、ダミアの創唱だとは知りませんでした。
https://www.youtube.com/watch?v=909QqJ9QhQQ&nohtml5=False
3「私の心はヴィオロン:Mon coeur est un violon」リュシエンヌ・ドリール(Lucienne Delyle)
私はヴィオロン、弓で彈かれて……些かエロティックな歌詞であり曲ですが、ドリールは
さらつと歌つてをりますね。同じリュシエンヌでもボワイエは甘口、聽き比べるのも一興です。
https://www.youtube.com/watch?v=AJh7-36WtYk&nohtml5=False
4「カルメン物語:Carmen's story」エディット・ピアフ(Edith Piaf)
強烈なハバネラのリズムに壓倒されます。想像力豊かな塚本邦雄先生曰く「鞭で床を打つて
ゐるんだね」云々、私が「タンバリンですよ」と申しましたら、「……」。
https://www.youtube.com/watch?v=G9Wp-oAZsTw&nohtml5=False
5「イレーヌの家:La casa d'Irene」ピア・コロンボ(Pia Colombo)
コロンボには『クルト・ヴァイルを歌う』といふ佳いアルバムもあり、選曲に迷ひましたが、
今囘は「イレーヌの家」を採りました。原曲はカンツォーネです。
https://www.youtube.com/watch?v=RCfZ_XGlkIk
6「お芝居のようね:Comme au theatre」コラ・ヴォケール(Cora Vaucaire)
1970年發賣、5年後に日本で發賣されたバークレー盤の譯題は「愛の終幕」ですが、原題の方が
佳いので其方を譯してみました。部屋にはシナトラの歌が流れてゐた……男女の諍ひです。
https://www.youtube.com/watch?v=IuaPk1sQ3-o&index=2&list=RDIuaPk1sQ3-o
7「いつ歸つてくるの?:Dis quand reviend-tu?」バルバラ(Barbara)
巴里生まれの猶太人、美人です。最初はブラッサンスやジャック・ブレルの作品を唱つてゐた
さうですが、名を伏せて自作も發表してゐた由。人氣曲で多くの歌手がカヴァーしてゐます。
https://www.youtube.com/watch?v=nUE80DTNxK4&nohtml5=False
8「浮氣女の歎き:La complainte infideles」マルセル・ムールージ(Marcel Mouloudji)
映畫『ボナディユー家』の插入歌、ムールージが流しの歌手役で出演、歌つてゐる由。曲名を直譯
すると「浮氣女の歎き」となりますが、歎きの主は男性なので「浮氣女への歎き」でありたい。
https://www.youtube.com/watch?v=9sPas0ia_20&nohtml5=False
9「人生は過ぎゆく:La vie s'en va」ジョエル・オルメス(Joel Holmes)
佛蘭西でも日本でも女性歌手の歌唱盤が多いのですが、爰(こゝ)ではオルメスの自作自演盤を。
日本のカヴァー盤では越路吹雪の歌唱がドラマティックで佳いかと。ライブで聽いたせゐかも。
https://www.youtube.com/watch?v=XDeOJT2Qr9s
10「スカーフ:L'charpe」イヴェット・ジロー(Yvette Giraud)
此れもヴォケール、コロンボ、カトリーヌ・ソバージュなど女聲のカヴァーが多いのですが、今囘は
古參のジローを撰びました。作者のモーリス・ファノンは才人で中篇小説を50篇も出してゐる由。
https://www.youtube.com/watch?v=yDPEI8Rg2t0&nohtml5=False
11「私はひとり片隅で:Ja wbity w kat(Et moi dans mon coin)」ミハイ・パヨル(Michal Bajor)
シャルル・アズナヴールの自作自演盤は先月このブログにUPしたので、今囘は少し變つたものを。
パヨルは波蘭(ポーランド)の俳優さん。「枯葉」などもカヴァーしてゐて巧いもんです。
https://www.youtube.com/watch?v=zmNOdiXOMLA
12「あまい囁き:Paroles,paroles」ダリダ&アラン・ドロン(Dalida & Alain Delon)
1973年、歐州にて幾組ものカップルの競作となり大流行、日本では此の佛蘭西盤がヒット。
因みに伊太利盤はMina & Albert Lupo、西班牙盤はCarmen Sevilla & Francisco Rabelです。