猫拾景＊其の肆＆十二世團十郎 - 須永朝彦の埴科便り

　よく晴れましたが、風が強い……強風を受けて室内の換氣扇が廻るのを初めて見ました。今日は誕生日、一昨日亡くなられた夏雄さん（十二世市川團十郎）と同年生まれ、私の方が半年年長であります。郡司正勝先生演出の『櫻姫東文章』で海老藏（十二世團十郎）・玉三郎・孝夫（現・片岡仁左衛門）が共演したのは昭和50年６月、今から38年前のこと、みんな若くて綺麗でした。大成駒（おほなりこま、六世中村歌右衛門）と共演した『東海道四谷怪談』の民谷伊右衛門と『かさね』の木下川與右衛門、あの舞臺の〈色惡〉の魅力も忘れ難いですね。夏雄さんの大きな目が暗闇の中で光つたのです。合掌。
　またまた、困つた時の猫頼みであります。此の近所にも素敵な猫が何匹かをり、見かけるたびに、また猫が飼ひたいなぁと思ふのですが、仔猫を貰つたとしても最期まで見届けてやる自信がありません。

お祈り：my prayer