五月の花暦

 往昔(そのかみ)、北原白秋は「いやはてに鬱金櫻の悲しみの散りそめぬれば五月はきたる」と詠じ、與謝野晶子は「卯月より皐月に移るおもむきを二十歳(はたち)ばかりの人は知らじな」と詠みました。感覺としては太陰暦に屬するものでせうが、五月雨に至るまでの短い清爽の季(とき)、同時に春眠に囚はれる倦怠の季、次々に開花してゆく植物の饗宴に想ひを致すべきかも知れませんね。今年は當地でも花の咲く順番が亂れてゐるやうですが、なにぶん信濃一年生ゆゑ確かなことは申せません。花暦を觀てゐるがごとき日々が過ぎてゆく中、折々に撮つた花の相(すがた)を御覽に供します。 

朝霧

玄關の生花

木蓮

ジャーマンアイリス

リラ(ライラック

滿天星(ドウダン)

西洋苧環(ヲダマキ)

雨後の牡丹


大手毬(オホデマリ)

出猩々(デシヤウジヤウ〜楓)

麥畑