五月の花暦Ⅱ

 五月も早や晦日、當地は雨が降らず、眞夏日が續き、そして強い風が吹いた一月(ひとつき)でしたが、次々に咲いては散り萎れてゆく初夏の花々から眼福を受けた日々でもありました。特に目に附いたのはジャーマンアイリスで、民家の庭先や田畑の縁(へり)・公園や歩道の植込みなど、町中に此の花が咲き競つてゐました。多色刷りのやうな最新の交配種は少なくて單色のもの(紫・青・白・黄・暗紅など)が多いのですが、私には却つて此の方が嬉しいですね。あと、其の邊の道端などに矢鱈(やたら)とアスパラガスが生えてゐて、誰も採つたりしないらしく、呀といふ間に細葉が擴がつてしまひます。何度か掻き取つて食しましたが、美味でしたよ。

栃(トチノキ、橡)

クレマチス

二輪草

罌粟

白花露草

オキザリス

ジャーマンアイリス