漸く更新、でも不覺の捻挫

 殘暑御見舞申し上げます。
 お久しぶりです。體調不良等々種々の不如意に見まはれて、ついうかうかと二ケ月を過ごしましたが、何とか更新をと氣を取り直した矢先、左の足首を傷めてしまひました。日曜日(10日)のこと、夕食後、座椅子に凭れて颱風のニュースなど見てゐるうちに寢入つてしまひ、目覺めたら尻の下に折り疊まれてゐた左足が痺れて感覺を失ひ恰も太き棒と化したやう……。
 痺れが退くのを待てばよかつたのですが、渇きを覺えたものですから、直ぐに立ち上がつてしまつたのであります。無事の右足を頼りに左足をついた途端、踝がグキツと曲がつたやうな感じがして激痛が奔り、そのまゝ倒れ込んでしまひました。ものゝ1分も經たぬ間に踝の周圍が大きく腫れ上がりましたが、冷水に浸して冷やすと半時間ほどで腫れはひき、痛みもかなり薄らぎました。去年腰を傷めたとき、知人が送つて下さつた湿布剤が殘つてゐたので其れを貼つて手當てしてをります。室内で動く分には然程(さほど)苦にもなりませんが、踏ん張ると痛むので自轉車のペダルがこげません。かゝる次第にて他出もかなはず、不便を喞つてをります。冷藏庫の兵糧も盡きたので、今日の午後、Mr.Vermilionに車を出していたゞき、當面の食糧を確保することを得ました。

 此の二ケ月の間に梅雨も明けて忽ち眞夏、當地も晝間は酷暑に襲はれますが、朝夕の外氣温が25度を下廻るのが取柄、東京在住時は熱帶夜に苦しめられましたからね。私が棲んでゐた明石町は、築地川を埋め立てゝ造成した幾つかの公園や聖路加病院や築地本願寺などに大木が多くて毎年澤山の蝉が湧き出るやうに現れ、朝から夕刻まで鳴聲が絶えず、暑熱を煽るやうでありましたが、當地では餘り蝉聲が耳に屆かず、姿も見かけません。よく目にする蟲はと申せば、樣々の蝶や蛾、黄金蟲の仲間、蟋蟀(コホロギ)、天牛(カミキリムシ)、蟷螂(カマキリ)などですね。ゴキブリも餘り見かけませんが、小さな雨蛙の類が其處等中にゐて跳ね廻つてゐます。彼らが鳴き出すと雨が近いやうであります。

 花も猛々しき夏の花が幅を利かせるやうになりました。體調の良い折りに撮つておいたものゝ中から少し撰んで御覽に供しませう。

 玄關生花:唐菖蒲(グラジオラス)

 卓上生花:唐菖蒲、紫陽花 &薔薇/七月の薔薇)

 青み渡る稻田

 姨捨山を背にゆらりと立つ向日葵

 猛々しき凌霄花(ノウゼンカヅラ)

 今年も實りよき無花果

 健氣なるかな松葉牡丹

 烏瓜の花

 烏瓜は瓜科の多年草で雌雄異株、花も果實も趣に富む姿ゆゑ撮りたいと思ふのですが、開花が日没後で陽が昇ると萎んでしまふので、また結實する前に雜草として刈り拂はれてしまふことが多いので、撮影が難しいですね。此の一枚は朝方まで咲き殘つてゐたものを見つけて撮つたものですが、殘念ながら雌雄の判別がつきません。

 露臺の朝顔の初花

 昨年は西洋朝顔を露臺の柵に絡ませましたが、今年は葉や莖に産毛のある日本の園藝品種から青花咲きを撰んで栽てゝみました。此れが其の初花であります。

 巨きく育つた路傍の箒草(8月9日)

 暑熱の午下がりに、こんもりと膨らんだ早緑(さみどり)の箒草の立ち姿を目にすると一瞬涼風が渡るやうな爽やかさを覺えます。ちなみに下に載せたのが6月3日撮影の同じ箒草、最終的には人の腰の丈くらゐまで育つて黄變します。

 此れも路傍の初雪草

 向日葵の下にもう女郎花(ヲミナヘシ)

 秋の七草に數へられる女郎花ですが、關東以西ではたいてい新暦立秋(8月7日、舊暦の7月12日頃)には咲いてしまひます。瞿麥(河原撫子)や桔梗はもつと早く咲き始めます。太陰暦では七月から秋ですから、別にをかしくもないのですが、萩・葛・藤袴・尾花の開花には未だ間があるので、「えっ、もう」と感ずるのかも知れません。

 唯今の玄關生花:鶏頭・芒など

 受贈本・關係書籍などの紹介が滯つてゐますので、近々纏めてアップ致すつもりです。こんな雜誌特集もあるのですよ。「ユリイカ」臨時増刊號、題して〈イケメン・スタディーズ〉。