MY FAVORITE PICTURE

 梅雨が明けたのかどうか、はつきりしませんが、兎に角蒸し暑い。たゞ朝晩は凌ぎ易くて、未だ熱帯夜になることはありません。郭公もまだ此の邊に留まつてゐるやうで、早朝、遠く近く鳴声が聞こえてきます。近所の用水路で蘆の葉末に黒羽蜻蛉(クロハアキツ、鐵漿蜻蛉:オハグロトンボ)が憩うてゐるのを見ました。ゴキブリはあまり見かけませんが、夜分には燈火を慕つて蛾や昆蟲が集まつて來ます。7〜8糎もある天牛(カミキリムシ)など、見るのは數十年ぶりかも知れません。鐵漿蜻蛉を見て齋藤史(ふみ)さんの「ぬばたまの黒羽蜻蛉は水の上 母に見えねば告ぐることなし」といふ一首を想ひ起こしました。舊師塚本邦雄も感心なすつた、佳いお歌です。


 本日は暑気拂ひに、普段PCの背景にして眺めたりしてゐる泰西繪畫の中から幾許かを撰んで御覽に供します。

ウィリアム・モリス「ブルーアカンサス」Blue Acanthus

シメオン・ソロモン「バッカス」Bucchus

Sir. Lawrence Alma-Tadema「ヘリオガバルスの薔薇」The Rose of Heliogabalus

ウォルター・クレイン「ローエングリン」Lohengrin

Sergey Tyukanov(題名不詳)

Sir. Frank Dicksee「ロメオとジュリエット」Romeo and Juliet

ジョン・エヴェレット・ミレイ「The Princes in the Tower

作者不詳「ハーマン・メルヴィル:白鯨」Moby Dick

Ysabel Lemay「魅惑の森の初夏」

Wladyslaw Theodor Benda「The Earth with Milky way」1918