John William Waterhouse Ⅲ 水妖篇

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(1849〜1917年、ローマ生まれの英國人畫家)の存在を認識したのは、ラファエル前派の一員としてではなく、偶然入手した『MARMAID』といふ舶來畫集を繰つてゐた時のことであります。件の畫集は、古代・中世の古拙掬すべき彫像・畫圖から近代・現代の華麗・奇矯なる繪畫まで、歐羅巴世界の傳説的水妖たる人魚に取材した畫像を蒐収したものですが、數多い圖版の中でまづ私の眼を灼いたのがウォーターハウスの數點の繪でありました。以來、其の繪がWaterhouseといふ不思議な趣を纏ふ姓と強く結びついてしまひ、私には彼が《水妖の畫家》として記憶されたのだと想ひ返されます。

人魚 The Mermaid

魔法のくちづけ Enchanted Kiss

ナーイアス A Naiad

ヒュラスとニンフたち Hylas and the Nymphs

サイレーン The Siren

ウォーターハウス肖像