昭和已降〜愛誦女性作家この一篇

岡本かの子(1889-1939):短篇「渾沌未分」

圓地文子(1905-86):長篇『なまみこ物語』

森茉莉(1903-87):中篇「枯葉の寢床」

萩原葉子(1920-2005):短篇「束の間の午後」


杉本苑子(1925-2017):短篇「珠の段」

河野多恵子(1926-2015):短篇「劇場」

倉橋由美子(1935-2005):掌篇「ヴァンピールの會」

小泉喜美子(1934-1985):長篇『弁護側の証人』

村田喜代子(1945-):短篇「望潮」

山尾悠子(1955-):短篇集『ラピスラズリ

坂東眞砂子(1958-2014):長篇『山妣』

松浦理英子(1958-):短篇「セバスチャン」

服部まゆみ(1948-2007):長篇『罪深き䖝の夏』

長野まゆみ(1959-):長篇『あめふらし

三浦しをん(1976-):長篇『仏果を得ず』

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多田智満子(1930-2003):『魂の形について』『神々の指紋

多田さんの筆跡

【追記】
水無月、文月と月一囘の更新にとゞまり、此のDiaryを訪ねて下さる方々には申譯もたちません。
相變らずの體調にて、〈生産性〉に缺くること、人後に落ちませぬ。
古きメモの束を繰つてみましたら、《愛誦閨秀作家この一篇》といふ走り書きのリストに目が
留まりました。豫々(かねがね)懇意の友人から「女流に甘い!」と指彈されてゐる私ではありますが、
爰に撰出した17篇は、何かの折に不圖讀み返したくなる撰り抜きの愛誦小説であります。
小説は物されませんでしたが、詩人・飜譯家・エッセイストとして比類なき足跡を遺された女人、敬愛
措く能はざりし多田智満子さんの見事なエッセイ風論考を2篇擧げておきます。