宵闇せまれば♪♪文語歌詞「君恋し」

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偶と文語歌詞の歌謠曲が聽きたくなり、撰んだのが此の歌です。
全編流麗な文語にて煽情的な清元・新内の末裔と言ひたい氣がします。
大正11年頃、佐々紅華が作詞・作曲した由、昭和4年(1929)歌詞を時雨音羽

ものに差し替へ、二村(ふたむら)定一の歌唱で日本ビクターから發賣された音盤(SP)が大當りしたと傳へられてゐます。
私が此の歌を初めて耳にしたのは昭和36年(1961)年のことであります。
昭和30年代中頃の歌謠界にはリバイバルブームが興り、若い人氣歌手が昭和戰前の

ヒット曲を競って録音、つい先日まで舶來のロカビリーを歌つてゐた連中まで俄に

古い演歌を歌ひ始めたのであります。
佐川ミツオの「無情の夢」、井上ひろしの「雨に咲く花」、赤木圭一郎の「流転」、

神戸(かんべ)一郎の「東京ラプソディ」などを憶えてゐます。
此のブームを捉へて「君恋し」を歌唱録音したのが〈低音の魅力〉で賣つてゐた

フランク永井で第三回日本レコード大賞を受けました。
二村定一の歌唱もYouTubeで聽くことが出來ますが、彼の聲質・唱法が好みに

合はないので、フランク永井盤のみをお耳に届けます。

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