受贈本紹介

☆オブライエン/南條竹則:訳『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』光文社古典新訳文庫
 オブライエンは愛蘭土生まれ、20代に渡米して短篇小説家となるも、南北戰爭が勃發するや、自ら望んで北軍兵士として從軍、戰地にて傷を負ひ34歳にて夭折。南條さんの譯で彼の作品を讀めるのは嬉しいですね。

ルネ・ドーマル:詩/建石修志:插畫『空虚人と苦薔薇の物語』風濤社
「うつろびとの空洞の体、双子のモーとホー、極彩色の巨大な苔か蝶の大群にそっくりな、にがばら」。建石さんの插畫に飾られた美しき書物です。

東雅夫:篇 柳花叢書『河童のお弟子』ちくま文庫
 泉鏡花芥川龍之介柳田國男の河童にまつはる短篇小説・エッセイ・座談会を収録。

☆本堂平四郎『怪談と名刀』双葉文庫
 刀劍にまつはる珍しい怪異譚の數々を昭和戰前當時の口語に移したもので、私には全篇が初讀でありました。編者(東雅夫)解説に「戦国時代から幕末維新の頃まで、さまざまな刀剣にまつわる出色の武勇譚、とりわけ怪談がらみのそれを近世の怪談本、随筆集などに求め、講談活劇調の闊達なる文体で綴った伝奇読物集ということになろうか。」とありますが、左樣なれば原典の出所を明示していたゞきたかつたですね。

不思議屋/ダイヤモンドのレンズ (光文社古典新訳文庫)

不思議屋/ダイヤモンドのレンズ (光文社古典新訳文庫)

空虚人と苦薔薇の物語

空虚人と苦薔薇の物語

怪談と名刀 (双葉文庫)

怪談と名刀 (双葉文庫)