2013-01-01から1年間の記事一覧

牡丹頌:蕪村&晶子

昨日朔日の早朝、郭公(クワクコウ)の聲を聞きました。少年時代以來のことです。あの託卵で名高い鳥であります。大葭切(オホヨシキリ)や鵙(モズ)頬白(ホゝジロ)尾長(ヲナガ)などが營む巣に卵を産みつけ巣の主に育てさせる……。千曲川に葭切の巣があ…

五月の花暦Ⅱ

五月も早や晦日、當地は雨が降らず、眞夏日が續き、そして強い風が吹いた一月(ひとつき)でしたが、次々に咲いては散り萎れてゆく初夏の花々から眼福を受けた日々でもありました。特に目に附いたのはジャーマンアイリスで、民家の庭先や田畑の縁(へり)・…

天南星の鉢

里芋科の天南星屬に魅せられて久しいものがあります。東京の舊居では露臺で樣々な天南星を培てゝをりました。中には菅原多喜夫さんが見つけて來て下さつた素心浦島草などといふ珍しいもの(浦島草のアルビノといふ風情)もありましたが、引越に際してリコリ…

今日の玄關生花*五月の薔薇

五月は薔薇が開花を迎へる月、様々の色・種類の薔薇が咲き競つてをります。園藝種の薔薇は實に多彩で、私などは薔薇園を訪れて見事な大輪の花々を見ても、結局はオールドローズのやうな原種に近いものに癒されて歸ることが多いですね。「五月のバラ」といふ…

今日の玄關生花*ジャーマンアイリス

今朝の玄關生花:赤詰草&麥穗

今朝の玄關生花

寓意のありさうな寫眞

連弾 Glenn Gould and his dog 後ろ姿 the back view Jack and Empire Staite Building 神父たちの氣晴らし(西班牙 1955年) ソル・イ・ソンブラ(光と影) 犬のさだめ dog acrobats(巴里 1953年) 鳥籠 a bird cage 抱擁 a hug 呪術 magico-religious 妖…

五月の花暦

往昔(そのかみ)、北原白秋は「いやはてに鬱金櫻の悲しみの散りそめぬれば五月はきたる」と詠じ、與謝野晶子は「卯月より皐月に移るおもむきを二十歳(はたち)ばかりの人は知らじな」と詠みました。感覺としては太陰暦に屬するものでせうが、五月雨に至る…

嬉しき春の訪客

先月の末、お友達の森野薫子さんと飯田克比呂さんが遠路遙々遊びに來て下さいました。關西在住の薫子さんは大阪發のJR特急しなの(一日一本)と《しなの鉄道》を、比呂さんは東京から長野新幹線と《しなの鉄道》を、それぞれ乘り繼がれて戸倉驛までお出でに…

花咲く男たち

今日は新暦の端午の節句です。鯉幟・五月人形・粽(ちまき)・柏餅・菖蒲(しやうぶ)などといふ言葉が直ちに想起されますね。菖蒲はアヤメ(本來の漢字表記は文目)とも訓まれるので、文目・花菖蒲・杜若(かきつばた)・鳶尾(いちはつ)などと混同されが…

A PICTURESQUE VIEW Ⅱ

逆しまの空 龍の尾 冬の華 2 新バベルの塔 鏡の中の想ひ出 蝙蝠城 熱帶の倦怠 北齋の浪 Forest Ruins 霧の彼方へ

花後の雪〜附・土筆のこと

天氣豫報で「未明から雪」と報じてゐた通り、午前6時過ぎに目醒めて外を眺めたら銀世界と變じてゐました。滿開の櫻に雪が降りかゝる光景は、一例を擧げれば六世中村歌右衛門逝去の日(2001年3月31日、花に降雪、夜には月光も差し、一代の名優が己の死に際…

花と温泉

此の1週間ほど、午前中から氣温が20度を超える暖かさが續いてゐるので、自轉車に乘つて温泉に通つてゐます。温泉と申しても、所謂日歸り温泉施設(公衆浴場・錢湯)で、お客はほゞ地元の人たちと見受けられます。斯樣な施設は、千曲川の此岸(私の住處から…

墮天使像 Fallen Angel

ART

墮天使の畫像と申せば、大天使ミカエルに踏みつけられる體(てい)のものが畫題として定着してゐた如くで、ラファエロ・サンツィオ、グイド・レーニ、ルカ・ジョルダーノなどの作品がよく知られてゐます。ギュスターヴ・ドレの『失樂園』なども想ひ起こされ…

花冷え*五十里川畔の櫻並木

昨夜半から氣温が下がり始め、早朝には零度近くまで冷え込んだやうです。5時半頃に外を見ましたら、東山も冠着山あたりも、雪か霜か、白いものを被つてゐました。間もなく陽が差し始めたので、11時過ぎにはもう山々から白いものは消えてゐました。 正午まへ…

お花見〜戸倉宿キティパーク

近所の川邊や學校の櫻が見頃となつたので、昨日の午後、Mr.Vermilionの御案内を得て、此の邊りでは最も本數が多い(500本とか)といふ《戸倉宿キティパーク》へ、お花見に行つてまゐりました。しなの鐵道戸倉驛の近く、山の斜面に拓かれた市營の兒童公園です…

〈あんずの里〉訪問

昨日は天氣豫報通り22度の暖かさ、近在の〈あんずの里〉の花が滿開との報あり、午後3時過ぎ、Mr.Vermilionにお願ひして案内していたゞきました。 平日の夕刻近くなのに結構な人出、《あんずまつり》は明日からだといふのに花は確かに滿開でした。樹丈が高い…

櫻の開花未だし

今日は風は強かつたものゝ氣温は上がりました。窓から見える小彼岸櫻が滿開の觀を呈したので、染井吉野もそろそろ綻び始めてゐるかも……と思ひまして、近所の櫻並木まで出かけてみました。莟は膨らんでゐましたが、殘念ながら未だ開花には至つてをりません。 …

小彼岸櫻

3月29日《少しづつ咲き始めた春の花》の中で「早咲き種の櫻」として載せた寫眞の櫻は、高遠小彼岸櫻(タカトホコヒガンザクラ)といふ種類だと判明、持ち主の方が南信濃は伊那市高遠へ赴かれた際に需めて來られたらものださうです。〈江戸彼岸〉と〈豆櫻〉…

少しづつ咲き始めた春の花

外氣温が15度を超える日が續き(昨日28日は22度)、早春を彩る花木や草花が少しづつ咲き始めました。住居の周りを歩いただけでも、杏・白梅・早咲き種の櫻(名稱不詳)・辛夷(コブシ)・藪椿・蒲公英(タンポポ)・矮性喇叭水仙(小型ナルシス)などの開花…

歌舞伎役者の銀座通りパレード

10日ほど前、所用で東京に行き築地場外市場に出向いた折、新裝成つた歌舞伎座の前を通りましたら、町往く人々が足を止めて一樣に携帯電話で撮影してゐました。 4月2日に初日を迎へるコケラ落とし公演を前に、本日午前10時から銀座通りにて歌舞伎役者60人の…

櫻は未だ莟

東京の櫻は滿開の由、上野公園では緋寒桜(ヒカンザクラ)も山櫻も大島櫻も一齊に開花といふ滅多に無い光景が見られるさうですが、當地の櫻は未だ莟にて開花の氣配はありません。咲いてゐるのは、駐車場の片隅に樹(た)つ山茱萸(サンシュユ、水木科)、あ…

築地明石町で見かけた木の花

今週前半、去年の引越で中斷してゐた歯科の治療を終はらせる爲に上京して舊居近くのデンタル・クリニックへ出向きました。往来(ゆきゝ)の途中、聖路加國際病院の構内や築地川公園・あかつき公園(いづれも築地川を埋め立てた跡地、築地川は人工の運河。三…

MY FEVORITE*崇福山安樂寺の天南星漿果

昨秋、Mr.Vermilionに誘はれて訪れた上田市の別所温泉は神社佛閣が多くて佳い所でした。中でも安樂寺の八角三重塔(國寶)がやはり印象に殘つてゐます。本堂などから離れた墓地の中にあるのも異樣ですが、よく見れば三重と判るものゝ一見では四重に見えるの…

MY FEVORITE ☆前山寺の斑猫(ぶちねこ)Ⅱ

11日にアップした見返り猫よりも可愛ゆく寫つてゐるフォトがありましたので御覧に入れます。もう一枚は年經た萱葺の破風が素晴らしい本堂です。

受贈本紹介

「未収録小説・隨筆・翻訳・日記・異稿までを収録した初の完全版全集」たる《定本 久生十蘭全集》が別巻刊行を以てめでたく完結、まさに平成出版界最高の壯擧と申せませう。此の別巻には異稿23篇、座談・對談10篇、補遺7篇を収録。他に詳細な「年譜」「著作…

MY FEVORITE ☆前山寺の見返り猫

去年の秋、上田市の別所温泉を訪れた際に立ち寄った古刹獨股山前山寺(とつこさんぜんさんじ)境内で見かけた斑猫。もう一枚は同寺の名高い三重塔、二重・三重は未完とか。

BEAUTY ALBUM*八千草薫

誰もが美しいと觀じたに違ひない映畫界入り間もなき頃の畫像を御覽に供します。他にも、谷崎潤一郎・原作、谷口千吉(後に結婚)・監督の『乱菊物語』、市川雷藏と共演した『濡れ髪剣法』なども載せたかつたのですが、畫像が見つかりませんでした。「歌劇表…

魅惑の映像★『白夫人の妖恋』山口淑子&八千草薫

暫く他出して戻りましたら既に彌生、中々融けなかつた日陰地の雪もすつかり消えてをりました。昨日今日は氣温が15度を上廻り、暖房も不用であります。このまゝ春になるとは思へませんが、寒氣は徐々に緩むことでせう。梅の花もちらほら、落葉樹の芽も膨らみ…